技術情報
焼入れ直後に -0℃以下の低温度帯に冷却することで、残留オーステナイトのマルテンサイト変態を進行させる処理で、経年変化防止目的や耐摩耗性を要求される精度金型に有効な処理といえます。
一般的に、経年変化対策として、焼入れに伴う残留オーステナイト量を限りなく0%にすることで、経年変化防止になると言われますが、実際は、焼入れ・サブゼロ・焼戻しなど、すべての工程をトータルバランスで考える必要があります。弊社は長年の経験から、ベストなサブゼロ条件を見いだして、皆様にご安心頂けるサブゼロ処理を提供致します。
経年変化に関するデータベースの中から二つの経年変化事例をご紹介します。
なお、各熱処理条件の詳細は開示できませんので、御了承願います。
Data No.1
SKD11材を6面研磨後に熱処理テストを実施し、その後1年間に渡り長手寸法変化の経過観察した結果
リヒト精光 条件SZ -110℃ ⇒ 高温戻し ( 2回繰り返し ) 硬度 : 60.0HRC
他社A 条件SZ -140℃ ⇒ 高温戻し ( 2回繰り返し ) 硬度 : 59.5〜60.5HRC
他社B 条件SZ -110℃ ⇒ 高温戻し ( 2回繰り返し ) 硬度 : 60.0HRC
Data No.2
HPM38材を6面研磨後に熱処理テストを実施し、その後4ヶ月間に渡り寸法変化の経過観察した結果
焼入れは同条件で行っても、その後のサブゼロ処理および焼戻し条件の違いによって経年変化量は異なった変化を示します。
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- 冷却ファンをチタン製にして軽量・大型化(特許:3596930)
- 真空中で冷却ファンを始動、フル回転と同時に上部の窒素タンクから加圧窒素ガスを導入
- 大型冷却ファンの動力として、ディーゼルエンジン駆動を採用(実用新案:3125138)
- 冷却中に窒素ガスを定圧自動補給(特許:935734)
- 冷却中に加圧ガスの前後流を一台のファンで形成(特許:3861099)
テストピース内容
SKD61相当材
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